mizukisaki diary

ただの日記

人はみんな最後を迎える

 

私たち人間は、最後に必ず死を迎えることになります。

それはどんな形かはわかりませんが、必ず迎えます。

 

私は高齢者が多い病棟で働いている期間が長いので、実際に病院で最後を迎える人を見る機会は少なくありません。

癌の終末期の方、高齢で寿命を迎える方、急変される方もいます。

私はその現場に居合わせる時いつも緊張します。

平常心でいられる人はいないと私は思っています。緊張することはなくても。

 

病院なので、心電図モニターを付けていることが多いので、心臓がどのぐらいの速さで動いているのか、血圧はいくつなのか、意識はあるのか。

そういうところを常に気にしています。

 

そして、家族の事です。

 

最後を迎える時に、いくらこの先が長くないから、心臓マッサージや人工呼吸器をつけなくていいです。いつ亡くなってもいいように覚悟ができています。と、言われても、最後は家族に会いたくないですか?

 

私は合わせてあげたい。会ってほしい。

 

だってもう二度と、会話どころか、手を握っても体温すら感じられないのは寂しいじゃないですか。

会話が出来なくても、心臓が動いていてまだ生きているっていう実感が得られるタイミングまでに家族に合わせてあげたいと思うのです。

人の五感のうち聴覚が最後まで残るといわれています。

家族の声で止まりかけた心臓が少し戻ったような場面も何度か見ました。

(他の医療者には気のせいと言われるかもしれませんが。)

 

 

最後がいつ来るのかは誰も予想できません。

余命はどのくらいです、と医者に言われたとしても、それは統計学的な数字でしかないのです。

 

家族の誰かがいなくなる時、本当に覚悟はできていると思いますか?

もう二度と会えないんです。本当に二度と。

 

病院の実際をお話しすると、救命処置を何もせずこのまま経過観察をするだけでお見取り方向です。という場合、どのタイミングで家族に連絡するかは看護師の判断で行われることが多いです。

 

なので、その看護師の考え方に左右されます。

日中であれば、状態が悪くなればすぐに電話をすることが多いと思います。

ただ、夜中状態が悪くなってしまい、危ない状況になった時、連絡をどうするのか迷う看護師も多いです。

夜中の2時とか、4時とかに電話で起こして来てくださいと言うのが正解なのか、朝まで様子をみて、もし家族が最後に間に合わなくても仕方ないと考えるのか。

それは看護師それぞれの考え方で決められてしまいます。

 

だから私は、最後を迎える時家族みんなに囲まれて最後を迎えたいのか、家族は夜中でもいいから連絡してほしいのかをちゃんとそれぞれの家族で話し合ってもらうのも一つだと思います。

 

朝5時まで「かあちゃん(奥さん)に会いたい」と話していた患者が、その1時間後に亡くなってしまった事もありました。

その時はまだ話せているし、奥さんも高齢だからもう少し様子をみてもいいだろうと思ったのです。

でもその判断のせいで、家族は最後に立ち会えなかった。

確かにもう持ちません、数日以内でしょうという話は主治医から聞いていたようですが、家族は本当に最後に立ち会えなかったことを納得できているのか私にはわかりません。

最後の奥さんに会いたいという言葉を聞いたのが看護師で良かったのか、後悔しています。何か伝えたい事があったかもしれないのに。

 

医療は人の命を救うものだと思いますが、人の最後も考えるべきなんじゃないかなと思うのです。

だっていくら医療が進歩しても、必ず人は最後を迎えます。

最後まで痛い、苦しいなど辛い思いをして死を迎えるのか、それとも家族や仲のいい人に囲まれて好きなことをして最後を迎えるのか。それを決めるのは本人や家族かもしれないですが、それに協力できるのは病院という場では医療者しかいないのです。

 

人の最後を見届けるのは、正直決していい気持ではありません。

でも、それに対してアレルギーや拒否反応を起こすような看護師では居たくないと思っています。

この方の最後をどのように過ごさせてあげられるのか考えられるのは、病院という場では病棟スタッフしかいません。

毎回考えます。これで良かったのか。

人の最後に立ち会う事を嫌がるスタッフはたくさんいます。

ナースステーションで口に出すスタッフもたくさんいます。

でも私はそうではなく、どんなふうに最後を迎えさせてあげるかを話し合いたいのです。

この人や家族ならどんな形がいいのか。

でもなかなか難しいんですよね。人の最後を見届けることを考えるのを嫌がる医療者は多いですから。

 

私は、人の最後にもきちんと向き合える医療者でありたい。

それを教えてくれた、以前の先輩たちの教えを信じているし、それがいい方法だと思っているから。

まだまだ未熟な看護師ではあるけど、これが一つの目標だったりします。

 

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